エピクテトス(西暦50年–135年)は奴隷から哲学者となり、ストア派の教えを広めた。哲人皇帝 マルクス・アウレリウス・アントニヌスに多大な影響を与えた人物。
「失ったのではなく、ただ返したのだ」
君が別れた人は、本来君の所有物ではなかったのだ。彼らは一時、君に与えられていた贈り物だったに過ぎない。別れは失うことではなく、与えられていたものを自然に返すだけのことだ。そう考えることで、心は軽くなるはずだ。
「変えられるものと、変えられないもの」
君が悩んでいることは、君自身で変えられるものだろうか?それとも変えられないものだろうか?別れは自分の意志で変えられないものであるから、それを受け入れ、心を乱さぬよう努めるべきだ。変えられないものに執着する必要はないのだ。
「孤独もまた、君に与えられた試練である」
人と別れ、孤独を感じることもあるだろう。しかしその孤独は、自己と向き合うための貴重な時間でもある。孤独を恐れるのではなく、その静寂の中で自己を高める機会としなさい。心を平穏に保ち、己を深めよ。
「愛とは、手放すことも含んでいる」
愛することは、必ずしも所有することではない。真の愛とは、相手の自由と幸福を尊重し、手放すことができることだ。別れが訪れたなら、それも愛の一部と受け入れ、穏やかな心で彼らの幸せを願うことが愛の本質なのだ。
「幸福は自分の心の中にある」
君の幸福は他人に依存するものではない。幸福は君の心の選択によるものであり、どのような状況でも得られる。愛する人と別れた後でも、君の心が平穏であれば幸福でいられる。自分の心の平安にこそ、幸福の鍵があるのだ。
マルクス・アウレリウスは、ローマ皇帝であり、ストア派哲学者としても名を残す。彼は数多くの戦争と疫病に向き合い、愛する妻や息子を失うなど深い苦しみを経験しつつも、「自省録」に自己の哲学を記し、心の平穏と義務を貫いた。
「宇宙の秩序の中に別れもある」
この世の出来事はすべて自然の秩序の一部であり、別れもまたその一環である。自分の手に負えぬものに苦しむのではなく、宇宙の意志と共に歩むことを受け入れなさい。すべての出来事には、必ず意味があると信じるのだ。
「今を全うすることに意識を向けよ」
過去や未来に心を奪われることなく、今この瞬間を生き抜くことに集中しなさい。過ぎ去ったものを嘆くより、ここにある自分の役割に専念するのだ。今に生きることで、心に平静と力が宿るであろう。
「大切な人の影響は心の内に残る」
大切な人との関わりがあなたに残した教えや影響は、あなたの魂の一部となり続ける。彼らの存在を追い求めるのではなく、その教えを糧に成長し、自分の心の中でその人の存在を大切にするのだ。
「他者に依存せぬ強さを身につけよ」
自分の幸福を他者に依存することなく、内なる強さを育むのだ。他者に対する愛情は尊いが、それにより心を乱されることなく、自分の内に平穏を見つけよ。内面の安定こそが、真の強さである。
「すべては流転する」
この世の事象はすべて流転し、永遠に留まるものはない。別れもまた過ぎ去り、やがて心は平静を取り戻すであろう。流転する自然の法則を受け入れ、それに対する反応を冷静に選び、自らの心を強く保ちなさい。
仏陀(ゴータマ・シッダールタ)は、王子として生まれながらも人生の苦しみを目の当たりにし、家族と別れて出家。悟りを開き、無常と苦の真理を説いた。仏教を開き、多くの人々を救済した人物。
「執着を手放し、解放される」
別れによる苦しみは、執着が生み出すもの。執着を手放し、物事の自然な移り変わりを受け入れることで心は平安を得る。何事も変わりゆくものと知り、囚われの心から自分を解放しなさい。
「大切な人の縁を、感謝と共に心に刻む」
出会いも別れも、縁の働きである。共に過ごした時を感謝と共に受け入れ、その人から学んだことを自身の道の糧とするのだ。大切な縁を抱えつつ、静かに前へと進みなさい。
「別れは新たな理解への門である」
別れの中でこそ、真の理解と悟りが芽生える。愛もまた無常であり、その変化を通じて人生の本質を悟る機会としなさい。別れを悲しむのではなく、それが教えてくれる深い真理を静かに受け取りなさい。
「自らの心の内に安らぎを見出す」
真の安らぎは外に求めるものではなく、自分の内にある。別れの悲しみを受け入れつつも、心の中に平安を築きなさい。そこに立脚することで、どのような変化にも揺るがぬ自分を見出すのだ。
「すべては無常の中にある」
この世のものは皆、無常であり永遠に留まるものはない。愛する者との別れもまた避けられぬもの。無常を悟り、移り変わりを静かに見つめることで、心の平穏が訪れるであろう。
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